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椎名林檎の「ここでキスして」の歌詞を聞き、これは改めて恐ろしい曲だと思う

椎名林檎の「ここでキスして」をコピーすることになった。結果、ヘビロテで聞いているのだが、この曲は西川進の超絶ギターや亀師匠の絶妙なるベース・ラインという素晴らしいアレンジもさることながら、やはり椎名林檎の歌詞がつくりだす世界観が凄い。そして、その世界観に入ってくる文法的には正しいけど、どうかなあ、という英語の変さが微妙なずれた感をもたらしている。気になるのは最後の “I feel so nice ‘cause you are with me now” のniceである。I feel niceは通じるが、この文脈ではどうなんだろう。Fabulous, fine (Beatlesか), easy, happy, good, みたいな言葉の方がずっとしっくりと感じる。


 それはそうと肝心の日本語の歌詞。基本的には命令形か命令的な言葉が歌詞の核となっている。それはサビにある。

「行かないでね」「あたしと一緒じゃなきゃ厭よ」。まあ、ここらへんは可愛い。しかし、2番では「どんな時もあたしの思想を見抜いてよ」とくる。できねえよ。思想を見抜く、なんてエスパーじゃないんだから、この無茶振りが凄い。そして、「今すぐに此処でキスして」である。具体的に「行かない」「一緒」ははいはいと回答できるかもしれないが、思想を見抜け、と言われて、次に「キスしろ」という流れである。いや、キスはできるかもしれないが、この女王様の指示のような暴力的ともいえる指令は怖い。というか、この曲で身震いをしない男がいたら、それが異常である。いやいや、椎名林檎はとんでもないサド気質であるな、というのを曲を発表してから25年経って、改めて気づいた次第である。

 


 

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