『ビートルジュース・ビートルジュース』
- Keiro Hattori
- 4月7日
- 読了時間: 2分
1988年のカルト的大傑作『ビートルジュース』の続編。2024年に公開ということで、前作から36年も経っている。それにも関わらず、マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラといった前作と同じキャストが出演しているのは驚くしかない。前作ではウィノナ・ライダーは美少女役であったが、今回はティーネイジャーの母親役であり、ウィノナ・ライダーの娘はジェンナ・オルテガが演じているが、なかなかいい味を出している。ビートルジュース演じるマイケル・キートンは、前作から36年経ったとはとても思えないほどキレのある動きをしていて、これは驚愕する。キッスと同じようにメークアップしているからこそ出来ることではあるが、それにしてもである。また、改めて思うのは、このビートルジュースというキャラクターの傑出した奇天烈さである。風貌といい、そのキャラクターといい、数多くの素晴らしいキャラクターをつくってきたティム・バートンの中でも最高傑作であろう。前作『ビートルジュース』に比べると、ビートルジュースが活躍しているシーンが結構多く、楽しめるのとモニカ・ベルーチ演じる新しい化け物キャラが秀逸で、大傑作である前作にも引けを取らない。ただ、前作はキャサリン・オハラをはじめとしたライダーの親とその取り巻きの底抜けの強欲さに、気のいい幽霊になったカップルが追い詰められ苦しめられるシーンなど、単なる表層的なエンタテインメントを越えた人間の醜悪な性を考えさせるようなヒューマニティ的な側面があったが、今回はそのような奥深さには欠けている。そのような総合的な視点からは、数十年経った時、本作が前作を越えるような位置づけをされることはないかもしれない。とはいえ、十分に観る価値のある傑作であると思う。
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